法人:恵那山おひさま発電所

恵那山おひさま発電所を建設して

恵那山おひさま発電所 代表 菊山 功嗣 様

一昨年の秋に地域のあるNPO法人の集りで、その法人の福祉施設の財政強化と、地域の活性化、反原発、再生エネルギー促進が話題になり、それらを結び付ける企画として、市民共同太陽光発電所建設案が浮上した。私たちの住む中津川市西北部は、木曽川の支流である付知川沿いの山間部で地形が比較的なだらかで、山林を含めて広大な休遊地、未耕作地が存在している。またこの地方の気候は内陸型で冬季には気温が氷点下10度近くまで下がることがあっても、降雪は少なく、積雪も翌日には強い日照りで融けることが多く、夏季の天候も安定し、台風の襲来も少ない利点がある。

一緒に建設運動に参加した仲間の土地を借りることがすぐに決まり、年の暮には太陽光発電所ネットワークの助言で合同会社を作り、官庁、電力会社への申請、ファンドの資金集め計画まで話はトントン拍子に進んだ。

当面は50kWをめざし、2013年3月に1口10万円で資金募集説明会を開き、出資を呼びかけた。口コミやチラシ宣伝で約2カ月の間に80名近い賛同者が得られ、4月工事着工、5月には発電にこぎつけることができた。非常に短い期間で、効率よく建設運動が進んだのは、原発事故の悲惨さを知った方々の再生可能エネルギーへの強い期待と、一口でも自ら参加できるという呼び掛けが受け入れられたことが大きい。

かって、恵那山山麓の安定した岩盤を利用し、核廃棄物の永久保存場所にする話があり、現在もこの東濃の瑞浪には動燃の超深地層研究所があり、高レベル放射性廃棄物の地層処分の研究が継続している。木曽川が名古屋市の貴重な水源として、将来も安心できる水の供給を維持するため、このような研究所設立には地元だけでなく、下流の名古屋の多くの市民も反対をしてきた。そのため今回の発電所建設計画には多数の名古屋市民の参加もいただくことができた。

まだ発電して1年にもならないが、昨年5月からの発電は順調であり、名古屋市の気象データをベースにした各月の予測発電量とほとんど同じ値が得られている。私はかって風力エネルギーの研究に携わったことがあり、庄内や青森竜飛、愛知県東三河地方で、気象条件、地形から年間のエネルギーを予測する研究を行ってきたが、太陽光エネルギーは風力に比べて安定性が優れ、年間のエネルギー予測が極めて簡単で、実測とよく一致することに驚かされている。また計画発案から工事完成までの期間が著しく短いことが大きな利点である。

我々の計画では15年間で出資を返済し、その後の発電収益は地域活性として福祉施設の財政支援に充てることになっている。しかし、敷地内にはまだ50kW程度のパネル設置の余裕がある。当面はこの地を出資者の交流の場と考え、5月のワラビ採り、夏場の共同草刈など出資者参加型の行動を予定し、さらに、今後の発電状況をみて、第2、第3の発電所

建設を検討していく予定である。企業による大小さまざまな太陽光発電所が国内に建設されつつあるが、地域の人々が共同で出資し、共同で運営できる市民発電所の設置を進めることで我が国のエネルギー政策の革新、脱原発の推進、地域の活性化を呼びかけ、さらに全国の市民共同発電所推進の運動とも交流を図っていきたい。

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